よくあるご質問

Q.引越し後の通院は?

ペッサリーを使用して3ヶ月毎に近くの産婦人科医院に通院しています。来年は夫の転勤で県外に引っ越す予定ですが、今お世話になっている産婦人科に3ヶ月毎に通わなければならないのでしょうか。

A.紹介状を作成してもらいましょう

ペッサリーは、産婦人科で古くから使われている医療機器で、学会の調査によると、過半数の産婦人科施設(病院、診療所)がペッサリーの管理業務を行っており、最近は一部の泌尿器科でも対応しています。遠くに引っ越す場合は、今通院されている産婦人科医院に紹介状(医療情報提供書)を作成していただき、引っ越し先でペッサリーの取り扱いをしている産婦人科を探して受診なさればよいでしょう。

困っている女性

Q.ペッサリー使用中の旅行は?

ペッサリーを使用するようになると、旅行やレジャーなどに不自由があるでしょうか。

A.装着状態が安定していれば、問題ありません

レジャー

ペッサリーの使用を勧められている(=子宮脱や膀胱瘤による不具合を抱えている)場合、ペッサリーを使用する方が、していないよりも旅行やレジャーに適する、と言えます。ただし、ペッサリーを使用していて異物感や痛みがあったり、少し力を入れるとはずれてきてしまうようでは、旅行もレジャーも難しいですね。ペッサリーの使用により旅行やレジャーに適する状態になるのは、あくまで、心地よくペッサリーを使えている場合に限られます。
旅行中、ペッサリーがはずれたとかトイレに落として回収できなかったなどの経験をする人があります。このようなときには、土地の産婦人科施設を宿で訊ねるなどして、早めに新しいペッサリーを入れてもらいましょう。もしも日ごろからペッサリーの自己着脱を行っており予備のペッサリーを携行していれば、新品を自分で挿入するだけで対応完了です。「備えあれば憂いなし」ですね。

Q.頻繁な受診が必要な理由は?

ペッサリーを使っている間は3ヶ月毎に受診するよう言われました。どうしてそんなに頻繁に診察する必要があるのですか。

A.連続装着方式の場合は、定期点検が重要です

ペッサリーを使用して子宮脱・膀胱瘤の違和感が和らぐと、ついつい定期受診がおっくうになってしまいます。確かに、装着状態が安定しているときには定期点検を省略してもあまり問題が起こりません。
一方、ペッサリーを使用して子宮と腟が正常な位置に戻ると、少しずつ腟が狭くなる人があります。この状態はペッサリーの『かんとん(嵌頓)』と呼ばれ、ペッサリーは腟の奥の方につかまえられた状態になっています。かんとんの状態を放置すれば、ペッサリーは膀胱や直腸にくいこんでいき、最終的には壁を突き抜けて膀胱や直腸に孔が開いてしまうこともあるのです(膀胱腟瘻、直腸腟瘻)。『ろうこう(瘻孔)』とは、腟と周囲臓器の内腔がつながった状態です。
反対に、ペッサリーを使用していても子宮や腟がペッサリーを押す力の方が強く、だんだんペッサリーが下がって来る人があります。腟の出口にどうにかこうにかペッサリーがひっかかっている状態になると、痛みや粘膜障害などを伴い、ふとした拍子にペッサリーがはずれてしまいます。違和感がある上にはずれやすいのでは、使用継続に値しませんね。
このような訳で、ペッサリーを使用している間は、面倒でも勤勉に定期点検を受ける必要があるのです。なお、自己着脱方式でペッサリーを使用する場合は、一般に受診の間隔は1年程度となります。

Q.定期受診は3ヶ月ごとですか?

ペッサリーを使っている間は、3ヶ月ごとに定期的に受診すればよいのですか。

A.最初は短い間隔から。また、症状に応じて異なる場合もあります

カレンダー

連続装着方式によってペッサリーを使う場合、スタート時にはサイズの調整のために3ヶ月より短い間隔での受診が必要になります。また、症状や所見によっては、サイズの調整を終えても2ヶ月毎の受診を指示される場合があります。その他、ペッサリーの使用中にはある程度臨時の受診が必要になるかもしれません。ペッサリーがはずれてしまったとき、出血するときや汚れたおりものの出るとき、同じように使用していて以前とは違った違和感を感じるときなどがこれにあたります。

Q.通院が遠い場合は?

以前に大学病院の整形外科で膝の手術を受け、今も半年毎に通院しています。子宮脱になって整形外科の担当医に相談したら、同じ病院の産婦人科あてに紹介状を書いてくれました。こちらの病院には片道1時間半ほどかかるのですが、ペッサリーの管理をお願いできるでしょうか。

A.通いやすい診療所を探すことをおすすめします

現在、ペッサリー管理の業務を行っている医療機関はほとんどが産婦人科で、一部の泌尿器科でも取り扱いがあります。ご相談のケースでは、もし紹介先の産婦人科で子宮脱・膀胱瘤と診断され当面ペッサリーの使用を勧められるようでしたら、ご自身の生活圏の中の通いやすい診療所を改めて探される方がよいと思います。紹介先の産婦人科で受け入れてもらえるかどうかは別として、定期的な通院臨時の受診の全体を想定すると、片道1時間半ほどかかる大学病院の産婦人科は、残念ながらペッサリー管理に適するとは言えません。

Q.出産後、子宮脱に…。原因は? ペッサリー使用は効果ありますか?

第二子を出産したら、子宮脱になってしまいました。お産をした産婦人科では骨盤底トレーニングを指導してくれましたが全然効果がありません。授乳していますし他の家族のこともあるので手術や入院など考えられない状況です。子宮脱になったのは何がいけなかったのでしょうか。ペッサリーを使ったら何とかなるでしょうか。

出産

A.原因はさまざまです。まずは医師に相談を

出産後に子宮脱・膀胱瘤になった人の場合、それぞれのケースをたどってみると、もともと骨盤底が丈夫でなかった、生まれた子供が大き過ぎた、出産後に十分な養生ができなかったなど、実にさまざまな原因が見つかります。単純な原因によるのではないことがほとんどです。
出産年齢の女性の子宮脱は、多くの場合にペッサリーで手当できます。可能ならば、指導を受けて自己着脱方式で使用し、受診の間隔も広げるようにするのがよいでしょう。
出産後には、子宮脱・膀胱瘤だけでなく腹圧性尿失禁(尿もれ)になる人もあります。残念ながら、腹圧性尿失禁の多くはペッサリーでは解決しません。ペッサリーを使っても排尿面の不具合が続く場合は、排尿の不具合そのものについて、出産した施設にご相談ください。
また、時間をかけてペッサリーのサイズ合わせをしても快適に使えない場合は、がまんしてペッサリーを使い続けることはムダです。その場合は、すぐに手術を受ける訳にいかないとしても、外科治療の実績がある施設へいちど受診し、長期的な見通しをもって計画を立ててみるのがよいでしょう。

Q.ペッサリーは薬局などで購入できますか?

ペッサリーを薬局などで購入することはできますか?

A.診察が必要なため、薬局では購入いただけません

ペッサリーを用いる子宮脱・膀胱瘤の治療は、手術と区別して『非観血的整復』と呼ばれます。ペッサリーは比較的単純な構造のプラスチック製品ですが、長期にもしくは繰り返し体内に装着して使用するものであるために、管理医療機器として厚生労働大臣の指定を受けています(註)。
ペッサリーを快適かつ安全に使用するためには、子宮脱や膀胱瘤を抱えている女性のひとりひとりについて、『非観血的整復』への適性判定、ペッサリーサイズの選択、使用者向けの説明と指導、使用状況の点検などが必要になります。当ウェブサイトは使用者本人に役立つ情報を発信することを目的としていますが、本人がペッサリーについて十分に知識を集められたとしても、診察しないとわからない事柄については病院や診療所に受診していただく以外ありません。
このような訳で、消費者本人が自分でペッサリーを購入してご使用になることは想定されておらず、ペッサリーは市中の薬局などには出回っておりません。

註)現在、国内で使用されるペッサリーは、ナイロン製(キタザト・リング・ペッサリー)とポリ塩化ビニル製があります。後者は使用中にDEHP(可塑剤)を放出する恐れがあるので注意が必要です。DEHPについては

などの資料があります。
ナイロン製ペッサリーは、添加物を放出することはありません。

Q.高齢の母が子宮脱で通院しているそうです。大丈夫でしょうか?

実家の人から、母(82歳)が子宮脱になって近所の産婦人科に通っていると聞きました。電話で状況を訊いてみましたが、母の説明は要領を得ません。このままで大丈夫でしょうか。

A.管理をすべてお医者さん任せにするのは危険です

子宮脱や膀胱瘤で産婦人科の診療所に通院しているのであれば、おそらく、ペッサリーを使っているのでしょう。ペッサリーは産婦人科ではごくふつうのアイテムです。そのため『器具を使います』とか『治療しておきました』などの簡単な説明だけで使用されていることがあります。
使用者本人は、自分では挿入されたペッサリーが見えませんから、十分な説明がなかったら何のことやらイメージがわかないのも当たり前です。
ペッサリーの管理をすべてお医者さん任せにして本人が何もわかっていないと、問題なく使用できている間は通院がおろそかになり、中には、挿入していることを忘れ5年も10年も放置する人があります。これは非常に危険です。何か問題の起こった場合の対処についても、ペッサリーについて予備知識のあるのとないのとでは大きく違ってきます。
お母上のケースでは、いちどお身内の方が受診に付き添われる方がよいでしょう。

Q.ペッサリーと関係のない膝の手術。医師に使用を申告すべき?

ペッサリーを使っています。変形性膝関節症で歩くのが難しくなり、整形外科で手術を受けることになりました。子宮脱があること、ペッサリーを使っていることは、整形外科の先生に話さないといけませんか。

A.手術の担当医と、見てもらっている産婦人科にも知らせてください

手術

子宮脱があってペッサリーを使っていることを整形外科のお医者さんに知らせてください。また、ペッサリーをみてもらっている産婦人科にも、手術の計画があることを知らせてください。
ペッサリーは、使用状況がよければ有用な器具ですが、はめっぱなしで放置して、腟炎になっていたり、腟壁に食い込んでいたりすると、ペッサリーで傷ついたところから腟の外(=身体の中)へばい菌が侵入していき、骨盤底に膿瘍(局所に膿が溜まる状態)を作ったり、菌血症(血流の中にばい菌が取り込まれ全身をめぐる状態)になることがあります。

ペッサリーによる体内の汚染を抱えたまま手術を受けることがあったら、危険です。手術した箇所にばい菌が運ばれて手術が失敗したり、手術時に使った抗菌薬により耐性菌感染症に陥るかもしれないのです。
このような問題が起こらないようにするために、手術を受けるときには、ペッサリーを使っていることを必ず担当医へ知らせてください。

  • 1 使用者は定期点検に通う
  • 2 腟壁の損傷や腟内の汚染があるときには、管理者は適切な対応を行う(はずす、危険性について説明する)

が必要です。

Q.子宮下垂はペッサリー?手術?

子宮下垂で産婦人科を受診しました。先生の説明によると、私が希望するならばペッサリーを入れてくれる、手術を希望するならば手術をやっている病院あてに紹介状を書いてくれる、とのことでした。どちらがよいのでしょうか。

A.生活環境や好みで選びますが、迷う場合はペッサリーが無難

ペッサリーによる子宮脱・子宮下垂の管理と手術による根治的な治療は、まったく異なるものです。ペッサリーでも手術でも治療できそうな場合、どちらをファーストチョイスにするかは生活環境本人の好みなどによって違ってきます。
ご相談のケースでは、子宮下垂になってはいるがまだ膣の違和感や排尿面での不具合を意識する機会が多くはなく、痛みや出血もないのであれば、3~4ヶ月おきに現在おかかりの産婦人科へ通院して経過をみるのがよいでしょう。定期的に何回か通えば、ペッサリーと手術どちらを選べばよいのかお医者さんもアドバイスしやすくなります。
すでに子宮下垂が進行しており常に違和感や不具合があるようなら、早めに治療を始める方がよいと思います。ご自身の好みがはっきりしているなら、ペッサリーか手術か、自分で決めて治療の準備を進めます。どちらがよいか自分でもわからない場合は、とりあえずペッサリーによる治療を体験するのが無難です。もしもペッサリーで順調に管理できなかったら、手術を受ける準備をすることになります。